ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石井 隆一)は、この度、山崎俊彦准教授(東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻)を技術アドバイザーとして招聘し、「個人・状況適応型広告クリエイティブ」の生成・最適化研究に着手します。
「個人・状況適応型広告クリエイティブ」は、個人とその個人が広告を受け取る際の状況(通勤途中、休憩中、情報を検索中など)に最適化されたデジタル広告クリエイティブ(バナー広告や動画広告など)を生成する新しい取り組みです。
従来のデジタル広告では、リターゲティング配信やオーディエンスターゲティング配信など、技術の進化により多彩なターゲティング手法の導入が進んでいます。一方で、異なるターゲット(人、状況など)に対して同一のクリエイティブで訴求することによるミスマッチや、クリエイターの経験値によってクリエイティブの質・内容が大きく左右される傾向があります。
本研究では、人工知能「VALIS-Engine」(*1)の独自開発を進める当社研究開発組織「a.i lab.」(アイラボ/Ambitious Innovation Laboratoryの略)と、魅力工学(*2)の研究を立ち上げ推進する山崎准教授を技術アドバイザーに迎え、ディープラーニング(深層学習)をはじめとする機械学習を活用したクリエイティブ分析・最適化技術、自動生成技術を確立するとともに、商品化を目指すものです。
◇研究の内容
本研究において、当社DSP(*3)「Logicad」を通した広告配信に適用するほか、研究成果の論文発表などを行っていく予定です。
* 1「VALIS-Engine」(ヴァリス-エンジン)とは?
「Logicad」の膨大なログ情報を解析し、様々な課題に対して局面ごとの価値を高精度に測り、答えを導き出すエンジンです。膨大な離散特徴量や連続特徴量を適切に変換活用する独自の機械学習アルゴリズムをベースに、高速・高精度に価値判断を行うことを特徴としています。
* 2 魅力工学
WEB上(ソーシャルメディアなど)の膨大な数の画像、動画、音声、テキストなどをベースに、人や商品、サービスなどの魅力を解析する研究。「なぜ、どのようにその魅力を感じるのか」を、人工知能の手法(機械学習や画像認識)を用いて工学的に解析し、魅力度の予測や、魅力度をさらに向上させるための仕組みづくりなどを行うもの。
* 3 DSP(Demand Side Platform)
広告主の広告効果の最大化を支援する広告配信プラットフォーム。広告媒体社の広告収益を最大化するためのプラットフォームSSP(Supply Side Platform)とともに、RTB(Real Time Bidding)を通じて、広告枠の売買をリアルタイムに行っています。
山崎俊彦(東京大学准教授)プロフィール
東京大学工学部電子工学科卒業。東京大学工学系研究科電子工学専攻修了。博士(工学)。 現在、東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻准教授。 2011~2013年まで米国・コーネル大学Visiting Scientist。 「魅力」の予測・要因解析・増強を行う魅力工学に関する研究を精力的に行っているほか、大規模マルチメディアデータ処理、物体認識・機械学習、最適化、3次元映像処理などの研究を行っています。
2000 年 3 月に設立。ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開しています。「技術力による、顧客のマーケティング課題の解決」を実現するため、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つの技術をコアとし、DSP「Logicad」をはじめとするマーケティングテクノロジーに関する様々なサービスを提供しています。
※記載されている会社名および商品名、サービス名は各社の商標または登録商標です。
ソネット・メディア・ネットワークス株式会社
経営企画部 広報担当