ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:地引 剛史)は、DSP(*1)『Logicad』におけるアドフラウド(不正広告)対策として、Momentum 株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:大久保 遼 以下、Momentum社)の『Black Heron』(広告配信ネットワーク接続用プラグイン)との接続を本年1月より開始しました。
この連携により広告出稿企業は広告枠に対しRTB(*2)による安全な広告配信を行うことが可能になり、広告効果の向上が期待できます。
今回の導入に併せ、Momentum社と共同で、アドフラウド対策における実証実験を行い、以下の傾向がわかりました。
広告出稿企業は、今回の配信開始によって、既に『Logicad』が接続済である他のSSPやアドエクスチェンジ(*4)と合わせ、より広範囲な広告枠に対しRTBによる最適な広告配信を行うことが可能になり、さらなる広告効果の向上が期待できます。
『Logicad』におけるアドフラウド率は、インプレッション(広告表示)が0.87%、クリックが2.04%となりました。昨年3月にMomentum社が独自に実施した調査(国内複数のDSP事業者におけるアドフラウド率)との数値(インプレッション:2.5%、クリック10.1%)よりも下回るものとなります。
<参考データ1>『Logicad』におけるアドフラウド率
【調査概要】
<参考データ2>Momentum社調査
(国内複数のDSP事業者におけるアドフラウド率/15年3月実施)
アドフラウド対策を適用したサーバーは、非適用サーバーに比べて、CPA(*3)が 2.1%、CVR(*4)が 2.4%改善されました。また、適用サーバーは、非適用サーバーに比べて、広告配信数が-0.9%とほぼ変化ないことが確認されました。
<参考データ3>『Logicad』におけるアドフラウド対策による効果の調査
【調査概要】
期間:2016年1月21日~1月31日
内容
アドフラウド対策を適用したサーバーの配信結果(全体の約30%)と、同量・同種となる非適用サーバーでの配信結果(全体の約30%)を それぞれ集計し、CPAやCVR等の効果の比較(ABテスト)を実施
今回の調査において、アドフラウドと判定された種類は主に以下が挙げられます。
・ユーザーが広告を閲覧していないにも関わらず、閲覧外のスペースで不正なインプレッションが発生させる仕組み
・「hidden」は、「隠された、隠れた」の意味。ユーザーが閲覧する画面上では広告が表示されていないのにも関わらず、非表示タグなどを用いることでインプレッションカウントだけを発生
・特定のサイトにおいて、人為的な操作(半自動化)によりインプレッションや、クリックのカウントを発生させるサービス
・特定のサイトから提供される仕組みを利用し、他に登録されたサイトのインプレッションやクリックを機械的に大量発生させ、ポイントなどを獲得するもの。
実際は、ユーザーが閲覧していないため広告効果が望めません
今回の調査により、『Logicad』におけるアドフラウドの現状(以下)を把握できました。またアドフラウド対策を行ったことで、不正な配信を防ぐことができ、一定の効果が確認できました。
・『Logicad』のアドフラウド率は、Momentum社の過去調査よりも下回る
・アドフラウドと判定した広告を入札しないことで費用対効果(CPA・CVR)が改善
・アドフラウドの種類は、自動プログラムのほか人為的な操作により不正なインプレッションを発生させるものも確認
近年、オンライン広告市場の成長とともに、オンライン広告における質の管理やブランド保護が重視されています。そのなかで、北米を中心にアドフラウド対策による「bot」への広告出稿や、広告主の意図しないサイトへの広告出稿を防ぎ、広告主にとって意味のある広告をユーザーに対し提供するための環境が整備され始めています。
当社では、『Logicad』において引き続きアドフラウド対策をMomentum社と共同で運用し、広告主に安心して使えるプラットフォームとして、日々進化を続けていきたいと考えています。
*1 DSP(Demand Side Platform)
広告主の広告配信効果を最適化するためのプラットフォーム
*2 RTB(Real Time Bidding)
1インプレッション毎にリアルタイムで入札が行われる形式
*3 CPA(Cost Per Action)
1コンバージョン(成約)を獲得するのに掛かった広告コスト(コスト÷コンバージョン数)
*4 CVR(Conversion Rate)
どのくらいコンバージョンしているかという割合(コンバージョン数÷クリック数)
□アドフラウドとは?
アドフラウドは、無効なインプレッションやクリックを稼ぎ、広告費用に対する成約数や広告効果などを水増しする不正広告です。コンピュータによる自動プログラム「bot」(ボット)が、悪質なプログラミングを組み込み、人間のようにブラウジングすることで、インプレッションやクリックを不当に発生させることが代表例として挙げられます。
◇アドフラウドの実例
2015年5月より、国内で初となる不正なオンライン広告取引の監視・対策ツールとして提供を開始。特徴は、約90種類以上の判断基準を組み合わせた独自のアルゴリズムによるフラウドスコアを活用することで、「bot」やコンバージョンしないユーザー、媒体への出稿回避を実現することができます。 ※フラウドスコアはオーディエンス情報や媒体情報に基づいて総合的に算出
『Logicad』は、大規模な配信ログ、オーディエンスデータを高速かつ安定的に処理することが可能なシステムインフラを備え、独自のアルゴリズムを用い、RTBにも対応した自社開発の広告配信最適化プラットフォームです。
2000年3月に設立。ソニーグループで培った技術力をベースに、マーケティングテクノロジー事業を展開しています。「技術力による、顧客のマーケティング課題の解決」を実現するため、ビッグデータ処理、人工知能、金融工学の3つの技術をコアとし、DSP『Logicad』をはじめとするマーケティングテクノロジーに関する様々なサービスを提供しています。
広告主・広告代理店向けに広告配信におけるアドベリフィケーション(ブランド価値保護)、アドフラウド対策(不正広告)を実現する第三者配信ツール『Black Swan』を提供しています。また、弊社独自のオーディエンス情報及び媒体情報を基にした不正広告解析技術を軸に広告配信ネットワーク接続用プラグイン『Black Heron』の提供を開始しました。
ソネット・メディア・ネットワークス株式会社
経営企画部 広報担当